Bel Canto・美しい歌声

オペラ歌手・矢口智恵さんと、智恵さんの出身地・世田谷区民合唱団周辺の音楽事情をcatmouseがお届けします。

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桐朋の同期生たちと

4月19日、杉並公会堂にて、黒猫室内楽団のメンバーでソプラノ歌手の林志布子さんが出演するコンサートがあったので矢口智恵さんと聞きにいってきました。
このコンサートは桐朋学園芸術短期大学の声楽実技講師・中屋早紀子先生の門下会です。
矢口智恵さんは桐朋学園芸術短期大学では松井康司先生の門下で、こちらの門下会は今年1月11日に行われました。(過去記事参照→ http://catmouse707.blog8.fc2.com/blog-entry-18.html

話は突然とびますが、杉並区っていいコンサート会場を持っていますね。
JR荻窪駅から7?8分は歩きますが、駅前の広場を出てすぐの青梅街道をまっすぐ行くだけ。
エントランスはしゃれたオープンスペースに喫茶店があって、人が集って何かをするにはとても使い勝手がよさそうです。その点、世田谷区はちょっと淋しいですね。

話を戻しましょう。
黒猫のメンバー・林志布子さんは矢口智恵さんと短大で同期です。2年間声楽を学んだ後、しばらく歌を離れて他の仕事をしていましたが、再び歌を勉強したいと思い、短大時代の恩師のもとで声楽の勉強を再開しました。
今回独唱で歌ったのははオペラ「ドン・ジョバンニ」より「恋人よ、さあこの薬で」。
また嘉瀬千鶴さんとの二重唱ではオペラ「フィガロの結婚」より「手紙」を歌いました。
二重唱がとってもきれいでした。

嘉瀬千鶴さんも実は矢口智恵さんと同期。しかも、研究科までずっといっしょで、2008年の研究生修了演奏会ではヴェネツィアの競艇「音楽の夕べより」を二重唱しました。
智恵さんはあのころから二重唱というと下のパートを歌っていましたね。
声が重いのでソプラノで軽い人と歌うとどうしても下になるんだそうです。
嘉瀬千鶴さんは今回独唱では「万霊節」を歌いました。

今回、もうひとつ書いておきたかったのは、林さんたち短大出身者は休憩を挟んだ第二部で歌ったのですが、第一部はかなり年配の方たちが歌われたということです。
男性の名前があったので、おやっと思ったのですが、かなり年配の方で、この方は「ラルゴ」をレチタティーボのところから歌いました。音楽の教科書には「オンブラマイフ」で載っているあの歌です。それと「オーソレミヨ」。ちょっと歌詞を忘れて、手のひらを盗み見するシーンもあったのですが、なかなかいいお声でした。

歌がお上手だなと思ったのは和服を召したご婦人。石川啄木の「初恋」と深尾須磨子作詞中田喜直作曲の「子守唄」を歌ったのですが、年配の人の声の特徴を生かした説得力のある歌声で、素晴らしいと思いました。「初恋」という歌は、けっこう年配の女性が歌いますね。これは憶測なのですが、昔の女学校の音楽教育というものは声楽そのものだったのではないでしょうか。
catmouseのひろみ叔母が特別な声楽の学校には行かなかったけれども名古屋放送合唱団員として採用され「花のコーラス」という番組で歌うことができたのは、女学校の音楽教育が声楽を教えたからではないかと推測しています。catmouseの昔の会社の上司も余興というと声楽的な歌を歌い、なかでも「初恋」の歌はよく出てきました。

そう。歌。
歌へのかかわりかたは様々。いろいろな人生をその中に見る、ということをここでちょっと言いたかったのですが、実は4月20日、その点に関してあまりあるほどの衝撃的なニュースが新聞に載りました。

スコットランド出身の無名の歌手。今、世界中の話題に!というニュース。

スーザン・ボイルさん。
音楽学校など出ていません。
12歳のときから教会では歌っていました。
教会ボランティアをしていて就労経験はなく、政府助成の公営住宅に猫のペプルズと住んでいます。
ここ数年は母親の介護に追われていましたが、母親がなくなり、母親が生前「挑戦しなさい」と励ましてくれていたので、イギリスのスター発掘番組にチャレンジしたのです。

歩き振りは堂々としていました。
「将来はなにに?」という質問に「プロの歌手になりたい」と応え、「もうすぐ48になるわ」と言ったときは、会場はあきれたという表情とともに嘲笑がもれました。
しかしスーザンさんは「それは私の一面よ」と言って腰に手を当てお尻を左右に振り、嘲笑を弾き飛ばしました。
そして、舞台袖にOKのサインを出すと、歌い始めました。
アガルなどという様子は微塵もありません。
情感を込めながらワンフレーズごと観衆の反応を見据えながら歌っていました。
超一流の歌手の風格でした。
うまく化粧をしてイヴニングドレスでも着せたら、それなりに見えたにちがいありません。
イギリスでの番組放映は4月11日。日本の新聞には20日に載りましたが、ユーチューブではすでに日本語の字幕入りのものがアップされていました。

http://www.youtube.com/watch?v=1t8m7CkpIK0

もともと声楽は西洋のものですが、というより、キリスト教圏のものなので、それは当たり前なのですが、教会で歌ってきた人はきれいな声で歌います。それにやはり神のご加護があるのでしょうね。

歌う皆様に、神のご加護がありますように。


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