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Bel Canto・美しい歌声

オペラ歌手・矢口智恵さんと、智恵さんの出身地・世田谷区民合唱団周辺の音楽事情をcatmouseがお届けします。

オラトリオの夕べ

矢口智恵さんから、ちらしを一枚もらいました。

「オラトリオの夕べ」
2009年6月11日
ティアラこうとう小ホール
18:30開演/18:00開場
チケット:¥1.800
主催*ケイ・アーツ・オフィス
(http://www.k-arts-office.jp/index.html)


あ、名前出てる。
Soprano:矢口智恵


え?ソプラノなの?
「メッツォのパートなんだけどね」
なにやるの?
「モーツァルトのハ短調ミサの≪Benedictus≫」

ハ短調ミサならcatmouseも世田谷区民合唱団で合唱部分を歌ったことがあります。
このとき≪Benedictus≫を歌ったのはソプラノ1:神谷明美先生、ソプラノ2:松永知子先生。
とってもきれいな歌でした。

松永知子先生は矢口智恵さんが音大を受験するときにお世話になった声楽の最初の先生です。
一番最初のオラトリオの演奏会で、その先生と同じ歌の同じパートを歌うなんて!

いえ、正確にいうと二番目の演奏なのですが・・・
5月17日の成城ホール杮落としコンサート「クラシック音楽三昧」で、モーツァルトの「戴冠ミサ」から≪Kyrie≫を、メンデルスゾーンの「ラウダ・シオン」から≪Sit laus plena,sit sonora≫のソロパートを歌うのですが、これが一番といえば一番です。でも、5月17日はオラトリオをやるわけではなくて、世田谷区民合唱団が成城ホールの杮落としを祝って歌う歌のひとつとして歌うだけですから、オラトリオの≪コンサートという意味で6月11日に歌うのが一番最初といってもいいでしょう。

オラトリオの夕べの演目はつぎのとおり
  G.F.ヘンデル作曲「メサイア」より
  W.A.モーツァルト作曲「ハ短調のミサ」より
  G.B.ペルゴレージ作曲「スタバト・マーテル」より
  G.ロッシーニ作曲「スタバト・マーテル」より
  A.ドヴォルザーク作曲「スタバト・マーテル」より

なにが美しいかといって声楽曲の中ではオラトリオの曲ほど美しいものはないとcatmouseなどは思っております。
天使の歌声を皆様も是非。

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桐朋の同期生たちと

4月19日、杉並公会堂にて、黒猫室内楽団のメンバーでソプラノ歌手の林志布子さんが出演するコンサートがあったので矢口智恵さんと聞きにいってきました。
このコンサートは桐朋学園芸術短期大学の声楽実技講師・中屋早紀子先生の門下会です。
矢口智恵さんは桐朋学園芸術短期大学では松井康司先生の門下で、こちらの門下会は今年1月11日に行われました。(過去記事参照→ http://catmouse707.blog8.fc2.com/blog-entry-18.html

話は突然とびますが、杉並区っていいコンサート会場を持っていますね。
JR荻窪駅から7?8分は歩きますが、駅前の広場を出てすぐの青梅街道をまっすぐ行くだけ。
エントランスはしゃれたオープンスペースに喫茶店があって、人が集って何かをするにはとても使い勝手がよさそうです。その点、世田谷区はちょっと淋しいですね。

話を戻しましょう。
黒猫のメンバー・林志布子さんは矢口智恵さんと短大で同期です。2年間声楽を学んだ後、しばらく歌を離れて他の仕事をしていましたが、再び歌を勉強したいと思い、短大時代の恩師のもとで声楽の勉強を再開しました。
今回独唱で歌ったのははオペラ「ドン・ジョバンニ」より「恋人よ、さあこの薬で」。
また嘉瀬千鶴さんとの二重唱ではオペラ「フィガロの結婚」より「手紙」を歌いました。
二重唱がとってもきれいでした。

嘉瀬千鶴さんも実は矢口智恵さんと同期。しかも、研究科までずっといっしょで、2008年の研究生修了演奏会ではヴェネツィアの競艇「音楽の夕べより」を二重唱しました。
智恵さんはあのころから二重唱というと下のパートを歌っていましたね。
声が重いのでソプラノで軽い人と歌うとどうしても下になるんだそうです。
嘉瀬千鶴さんは今回独唱では「万霊節」を歌いました。

今回、もうひとつ書いておきたかったのは、林さんたち短大出身者は休憩を挟んだ第二部で歌ったのですが、第一部はかなり年配の方たちが歌われたということです。
男性の名前があったので、おやっと思ったのですが、かなり年配の方で、この方は「ラルゴ」をレチタティーボのところから歌いました。音楽の教科書には「オンブラマイフ」で載っているあの歌です。それと「オーソレミヨ」。ちょっと歌詞を忘れて、手のひらを盗み見するシーンもあったのですが、なかなかいいお声でした。

歌がお上手だなと思ったのは和服を召したご婦人。石川啄木の「初恋」と深尾須磨子作詞中田喜直作曲の「子守唄」を歌ったのですが、年配の人の声の特徴を生かした説得力のある歌声で、素晴らしいと思いました。「初恋」という歌は、けっこう年配の女性が歌いますね。これは憶測なのですが、昔の女学校の音楽教育というものは声楽そのものだったのではないでしょうか。
catmouseのひろみ叔母が特別な声楽の学校には行かなかったけれども名古屋放送合唱団員として採用され「花のコーラス」という番組で歌うことができたのは、女学校の音楽教育が声楽を教えたからではないかと推測しています。catmouseの昔の会社の上司も余興というと声楽的な歌を歌い、なかでも「初恋」の歌はよく出てきました。

そう。歌。
歌へのかかわりかたは様々。いろいろな人生をその中に見る、ということをここでちょっと言いたかったのですが、実は4月20日、その点に関してあまりあるほどの衝撃的なニュースが新聞に載りました。

スコットランド出身の無名の歌手。今、世界中の話題に!というニュース。

スーザン・ボイルさん。
音楽学校など出ていません。
12歳のときから教会では歌っていました。
教会ボランティアをしていて就労経験はなく、政府助成の公営住宅に猫のペプルズと住んでいます。
ここ数年は母親の介護に追われていましたが、母親がなくなり、母親が生前「挑戦しなさい」と励ましてくれていたので、イギリスのスター発掘番組にチャレンジしたのです。

歩き振りは堂々としていました。
「将来はなにに?」という質問に「プロの歌手になりたい」と応え、「もうすぐ48になるわ」と言ったときは、会場はあきれたという表情とともに嘲笑がもれました。
しかしスーザンさんは「それは私の一面よ」と言って腰に手を当てお尻を左右に振り、嘲笑を弾き飛ばしました。
そして、舞台袖にOKのサインを出すと、歌い始めました。
アガルなどという様子は微塵もありません。
情感を込めながらワンフレーズごと観衆の反応を見据えながら歌っていました。
超一流の歌手の風格でした。
うまく化粧をしてイヴニングドレスでも着せたら、それなりに見えたにちがいありません。
イギリスでの番組放映は4月11日。日本の新聞には20日に載りましたが、ユーチューブではすでに日本語の字幕入りのものがアップされていました。

http://www.youtube.com/watch?v=1t8m7CkpIK0

もともと声楽は西洋のものですが、というより、キリスト教圏のものなので、それは当たり前なのですが、教会で歌ってきた人はきれいな声で歌います。それにやはり神のご加護があるのでしょうね。

歌う皆様に、神のご加護がありますように。


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いよいよ新学期スタート!

宝塚の入学式が4月18日行われ、読売新聞の夕刊に写真つきで掲載されました。

しかし、4月17日のあれは載りませんでしたねえ。
つまり、二期会オペラ研修所本科の試聴会。
それと、オニギリさんのヴァイオリン製作学校の初授業。
芸術関係の学校というのは今ぐらいからはじまるのですね。
小・中・高の入学式は6日くらいでしたが。

オニギリさんのヴァイオリン製作学校の初授業のもようは、こちらをご参照ください。
http://kachofugestu.blog22.fc2.com/blog-entry-3.html

さて、智恵さんのオペラ研修所本科の入所式は、残念ながらcatmouseは行けませんでしたので様子がわかりません。
わかったことは、智恵さんの本科でのクラスは、クラス替えによって予科時代に仲の良かった子と離れてしまったということ。そして、新しいクラスには予科を経ずにダイレクトで本科に入ってきた人もいるということ、試聴会では智恵さんは「われエウリディーチェを失えり」という歌を歌ったということだけです。

そして、今年1年学ぶオペラと配役が決まったそうです。
智恵さんの配役はベルリーニのオペラ「ノルマ」のアダルジーザと、モーツアルトのオペラ「魔笛」の第三の侍女。

アダルジーザは「原曲ではソプラノで歌われたが、今日ではメゾソプラノが多い」と、Wikipediaにありました。
ちなみにWikipediaの「メゾソプラノ」をクリックしてみると、有名な歌手として春日成子さんの名前が出てきます。
春日成子さんは、二期会の声楽指導者ですが、実は智恵さんは短大時代に春日先生からオペラ実習の指導を受けていました。短大研究科最後のオペラ実習はフンパーティングの「ヘンゼルとグレーテル」を上演しましたが、智恵さんは春日先生がかつて演じたことのある母親役であるゲルトルードの役をもらっています。

魔笛の第三の侍女は楽譜ではアルトと書いてあるそうですが、最近話題になった映画では第二の侍女をメッツォが、第一と第三はソプラノが演じているようです。http://www.mateki.jp/flash.html

ここらへんの線引きというのはどうなってるのでしょうね。
catmouseにはよくわかりません。

話はかわりますが、あす4月19日、智恵さんの短大時代の同期性がコンサートで歌います。
一人は智恵さんと研究科まで一緒だった人で、最後の修了演奏会でデュエットもしました。
もう一人は黒猫でアヴェマリアを歌ったHayashi嬢。

さあ、あしたは遅れないよう行かなきゃ。

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今年1年、メッツッォでやってみようか・・・

二期会のオペラ研修所では一番最初の授業で試聴会というのがあるのだそうです。
自分がどんな歌手なのか、先生とクラスメートにお披露目をするのだとか。

試聴会の曲目は、歌劇「オルフェオ」より「われエウリディーチェを失えり」

これはギリシャ神話から題材をとったオペラで、オルフェウスは吟遊詩人。竪琴の名手です。
彼にはエウリディーチェという最愛の妻がおりましたが、ある日エウリディーチェは毒蛇にかまれて死んでしまいます。オルフェウスは妻を帰してもらおうと、地獄まで行って交渉し、返してもらえることになったのですが、地上に着くまではけっして振り返らないことといわれていたにもかかわらず、あと一歩というところで振り返ってしまい、結局妻は死んでしまうのです。
「われエウリディーチェを失えり」はその時に歌う歌なのです。

有名な歌なので、ユーチューブにもいくつかアップされています。
例えばこれ。http://www.youtube.com/watch?v=QwuXl1j1E_E

ソプラノの歌ではありません。
もともとオルフェウスは男性なので、カウンターテナーが演じることもあり、女性が演じる場合はカウンターアルト、メッツッォソプラノが歌います。

「今年1年、メッツッォでやってみようかな・・・」

智恵さんの声は重たい声なのです。
アルトより重たいのではないか?というふしもあり、練習しなくてもかなり低音まできれいに出せます。中音がよく鳴り、ふりかえってみれば、「セビリアの理髪師」ではロジーナ。フンパーティングの「ヘンゼルとグレーテル」では母親役のゲルトルードを演じました。

「オペラ研修所ではソプラノは多いから、順番で歌わなければならないけれど、メッツッォは少ないので、ずっと歌っていられる。ソプラノにこだわるのか、オペラがやりたいのか、どっち?ってきかれたら、わたしはやっぱりオペラがやりたいから・・・」

ところで、
智恵さんも一応名前を連ねている黒猫室内楽団。
4月4日にクライスラーの「愛のよろこび」をヴァイオリン3台、ビオラ1台、ピアノ1台でのアンサンブル。シューベルトの「アヴェマリア」・・・実はこれ、「エレンの歌・第3」と呼ばれる歌詞のもので、ふつうのアヴェマリアと歌詞が違うものなのですが、これをテナーとソプラノの2重唱、ヴァイオリン2台、ビオラ1台、ピアノ1台でアンサンブルしました。
テナーは、「愛のよろこび」の時はヴァイオリンを弾いた世田谷区民合唱団では団員ソリストの世田谷のドミンゴことドンブラコ氏。ソプラノは智恵さんの音大時代の同級生で、学校卒業後、音楽をはなれてたけれど、最近になって歌の勉強を再開したHayashi嬢。

2009年4月4日の黒猫室内楽団

智恵さんは花とマカロンをもって、応援にきてくれましたが、じつは花とマカロンを買ったために黒猫の演奏に間に合わなかったようです。
bamamanのピアノ独奏は聴いたようです。だもんで、bamamanに花とマカロンをわたして、catmouseにも会わず、こっそりと帰ってしまいました。
ひどい!いえ、遅れたことがということより、catmouseに会わずに帰ったこと!
まあ、智ちゃんですから、仕方がないか。
いちばんしょげてたのは智ちゃんですから。
「最近のわたしって、いったい何をやってるのだろう?聴きたかったものも聴けず・・・」
とか言ってました。

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